WSL(Windows Subsystem for Linux)のインストール

  • 2020.05.10 Sunday
  • 10:21

 Windows 10ではLinuxのプログラムを実行可能にする「WSLWindows Subsystem for Linux)」が利用できます。当初、このWSLは実験的なβ版(当時の名称は「Bash on Ubuntu on Windows」)として提供されていましたが、Windows 10 バージョン1709(ビルド16299)以降では正式なOS機能の一つとなっています。現在ではLinuxシステムとの互換性も向上した他、Microsoft Store経由でのインストール、Ubuntu以外のディストリビューションの提供、コマンドプロンプトからWSLのコマンドを呼び出し可能になるなど、機能も向上しています。

 現在Linuxの中でも最もポピュラーなUbuntuを使い、Microsoft StoreUbuntuのディストリビューションではX Serverが入っていないため、Windows用のX Serverの一つである VcXsrvWindows上にインストールすることにより、X ServerX Window System)も使えるようにしています。(X Server ImageMagickdisplayanimateを使うときに必要ですが、displayanimateを使わない場合には、VcXsrvをインストールする必要はありません。)このWSLWindows Subsystem for Linux+ Ubuntu(Linux) + VcXsrv(X Server)の開発環境を以後WSLと呼ぶことにします。

 

ステップ1:Windowsの設定

 WSLをインストールする前に、まずはWindowsの設定の変更やテキストエディターの準備をして置きます。

 Windowsの設定としては、ファイルの拡張子や隠しファイルが非表示だと不便ですので、エクスプローラーからファイルの拡張子と隠しファイルのチェックボックスをにチェックします。

 

1.タスクバーのエクスプローラーを起動します。

 

2.エクスプローラー画面の表示をクリックします。

 

3.「ファイルの拡張子」と「隠しファイル」のチェックボックスをにチェックします。

 

4.ホームなどにある隠しファイルやファイルの拡張子が見えるようになります。

 次にテキストエディターですが、UbuntuではUTF-8の文字コードを使うので、UTF-8に対応したテキストエディターをインストールします。テキストエディターで有名なのは秀丸エディタですが、こちらはシェアウェアーなのでフリーのNoEditorがお勧めです。Ubuntuviemacsなどのテキストエディターも使えますが、慣れるのに時間がかかるため、UTF-8に対応したWindowsのテキストエディターを使った方がいいでしょう。(Windows10からはメモ帳がUTF-8対応になりました。)また、様々な拡張子のファイルを開きやすいようにNoEditorのショートカットアイコンを作って置くと便利です。

 

ステップ2:WSL機能を有効にする

 WSLを利用するには、まず「Windows Subsystem for Linux」という機能を有効にする必要があります。コントロールパネルの「プログラムと機能」グループにある[Windowsの機能の有効化または無効化]画面で「Windows Subsystem for Linux」の機能を有効にします。

 

1.「スタートメニュー」の「設定」画面を開きます。

 

2.「設定」の「アプリと機能」を呼び出します。

 

3.「関連設定」に表示されている「プログラムと機能」をクリックします。

 

4.「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリックします。

 

5.「Windows Subsystem for Linux」のチェックボックスをオンにしてインストールします。

 

6.再起動します。

これで、WSL(Windows Subsystem for Linux)が有効になります。

 

ステップ3:Ubuntuのインストール

 WSLを有効化したら、次はMicrosoft Store経由でLinuxパッケージを導入します。この手順は、WSLを利用したいユーザーごとに(パッケージごとに)行います。(WSLではマルチユーザーに対応していないようです。)

 Microsoft Storeで提供されているLinuxのパッケージ(ディストリビューション)としては、次のようなものがあります。それぞれ、ベースとしているディストリビューションが違っていたり、管理用コマンドや設定方法などが異なっていたりするので、慣れているものを選択してください。Linuxにあまりなじみがないなら、比較的ユーザー数が多くて情報を得やすいUbuntuから始めるとよいでしょう。本書ではUbuntuをインストールすることにします。

Ubuntu(複数パッケージあり)

Kali Linux

Debian

SUSE Linux

Fedora Remix for WSL

 

1.「スタートメニュー」の「Microsoft Store」画面を開きます。

 

2.「Microsoft Store」アプリを起動して検索窓に「Linux」と入力し、Linuxのパッケージ(ディストリビューション)を検索します。

 

3.「Ubuntu(バージョン名なし)」を選択します。

 「Ubuntu(バージョン名なし)」は、提供時期に応じて、その時点での最新バージョンに自動的に切り替わるようになっています。(私がインストールした2020.3.7時点ではUbuntu 18.04.4 LTSでした。)互換性の問題などで、特定のバージョンを使いたい場合はバージョン番号付きの方を、そうでない場合は、バージョン番号なしのUbuntuを使った方が良いでしょう。また、Ubuntu以外のLinuxを使いたい場合は、試してみてください。CentOSMicrosoft Storeでは有料なので、GitHubなどからダウンロードしてもいいでしょう。

 

4.[インストール]をクリックしてインストールします。

 

5Ubuntuを起動します。

 

6Ubuntuの最初の起動

 最初に起動したときには、ディストリビューションの内容をユーザーフォルダの下に展開して初期設定する処理が行われるため、しばらく時間がかかります。

 そしてしばらくするとusernameの設定を聞いてきます。

 

7Ubuntuusernamepasswordを設定します。

 sudo ??コマンドを実行した時に“[sudo] password for <ユーザー名>:”のようにpasswordを要求してくることがありますが、その時はこのpasswordを入力してください。

 この設定が終わると、Windows上からは、C:¥Users¥<Windowsユーザー名>¥AppData¥Local¥Packages¥CanonicalGroupLimited.UbuntuonWindows_79rhkp1fndgsc¥LocalState¥rootfs¥home¥<ユーザー名>Ubuntuのホームディレクトリーが作られます。ディレクトリーの階層が深いので、Windowsのデスクトップにショートカットを作っておくと便利なので作っておきます。

8/etc/apt/source.list のリポジトリを日本国内に変更します。

 この変更はしなくてもアップデート出来ますが、国内の方がインストールのスピードが早いの変更しておいた方がお勧めです。

 UNIXが得意な人は、viやemacs、確認にはmoreなどを使っても良いですし、Windowsで行いたい人は、C:¥Users¥<Windowsユーザー名>¥AppData¥Local¥Packages¥CanonicalGroupLimited.UbuntuonWindows_79rhkp1fndgsc¥LocalState¥rootfs¥etc¥aptのsource.listをWindowsのエディターを用いて修正してもいいと思います。ただし、Windows系のエディターでファイルを作ったりコピーしたりしても、Ubuntuのsu(スーパーユーザー)領域では反映されないことがありますのでご注意ください。

 

9.インストールされているソフトウェアの更新をします。

 WindowsでいうWindows UpdateをUbuntuでは手動で行う必要があります。以下のコマンドを定期的に(1週間に1度くらい)実行します。

 アップグレード途中で“Do you want to continue? [Y/n]”と聞かれたら“y” ⏎で続けます。

 以下の画面(パッケージのアップデート中にサービスの再起動が必要な場合のメッセージ)が出たら、

 キーを使って<Yes>を選択して、⏎を押します。

 

10.日本語環境を設定します。

 日本語パックをインストールします。[sudo] password for <ユーザー名>:”のようにpasswordを要求してくるときはpasswordを入力し、Do you want to continue? [Y/n]”と聞かれたら“y” 続けます。

 

11Ubuntuのアイコンを作ります。

 Ubuntuは良く使うので、デスクトップにアイコンを作っておいた方が便利です。「スタート」画面に最近追加されたものが出来ていますから、これをドロップさせてUbuntuのアイコンを作ります。

 下図は、デスクトップに出来たUbuntuのアイコンです。

 

12Ubuntuを立ち上げ、日本語環境になっているか確認します。

 Ubuntuアイコンをダブルクリックして、Ubuntuを起動します。

 「ja_JP.UTF-8」が表示され、dateコマンドのメッセージが日本語になっていれば設定成功です。

 

13.日本語マニュアルをインストールします。

 マニュアルを確認します。ページ送りはEnterキーかスペースキー。manの終了はqキーを押す。

 マニュアルが日本語になっていることを確認します。

 

ステップ4: VcXsrvのインストール

 Ubuntuのインストールと設定が終わったら、X Server (X WindowSystem)を使うためにVcXsrvをインストールします。

1VcXsrvのダウンロード

 ブラウザから以下のサイトにアクセスして[Download]ボタンをクリックし、インストーラー(vcxsrv-64.1.20.6.0.installer.exe)をダウンロードします。私がインストールした2020.3.7時点での最新版は、Ver.1.20.6.0でした。

VcXsrv Windows X Server(https://sourceforge.net/projects/vcxsrv/)」のダウンロードページ[英語](SourceForge

 

2VcXsrvのインストール

 ダウンロードしたインストーラー(vcxsrv-64.1.20.6.0.installer.exe)をダブルクリックして起動し、インストールオプションやインストール先などを指定してインストールします。

 

以下の画面が現れたらインストール終了、クリックして画面を閉じます。

 

 

3VcXsrvの起動

 インストールが完了したら、[スタート]メニューの[VcXsrv]−[XLaunch]を起動します。起動するとウィザード画面が表示され、幾つかの選択肢が表示されますが、通常は全部デフォルトで良いでしょう。

 

 

 設定を保存して終了します。

 

 以上が完了するとX Serverが起動しまう。X Serverの実行中はシステムトレイにX Serverのアイコンが表示されており、これをクリックすると設定の確認などが出来ます。

 

 

4VcXsrvが自動的に起動されるようにします。

 起動したVcXsrvは、ユーザーがサインアウトすると終了します。次回またWSLX Serverを利用したければ、手動でVcXsrvを起動する必要があります。一々面倒なので、Windows OSのスタートアップフォルダにXLaunchを登録しておきます。

 [Windows]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを表示させ、「shell:startup」と入力すると、ユーザーの「スタートアップ」フォルダがエクスプローラーで開かれます。ここに、起動ウィザードの最後のステップで作成した設定ファイル(〜.xlaunchファイル)を入れて置くと、次回サインイン時にはウィザードが表示されずに自動的に起動します。

 

5DISPLAY環境変数を設定します。

 X Serverからどこのディスプレイに表示して良いか分からないので、X ServerDISPLAY環境変数を設定します。設定方法は.bashrcというLinuxが立ち上がる時に読み込まるスクリプトにDISPLAY環境変数を書き加えます。

 viが使える人は、viを使うことをお勧めしますが、本書ではWindowsからNoEditerを使って.bashrcに書き加えることにします。

 まず「Ubuntuのインストール」の「6Ubuntuの最初の起動」で作ったホームディレクトリー(C:¥Users¥<Windowsユーザー名>¥AppData¥Local¥Packages¥CanonicalGroupLimited.UbuntuonWindows_79rhkp1fndgsc¥LocalState¥rootfs¥home¥<ユーザー名>)のショートカットのアイコンをダブルクリックして、ホームディレクトリーのフォルダを開きます。隠しファイルやファイルの拡張子の表示がチェックされているならば.bashrcのファイルが見えると思いますので、このファイルをNoEditerのアイコン(NoEditerはアイコンを作っておきます。)にドロップさせて、.bashrcのファイルを開き以下のよう、一番下に“export DISPLAY=localhost:0.0”を書き加え修正します。

 .bashrcの修正が終わったら、.bashrcを読み直します。次回からはUbuntuの起動時に自動的に読み込まれます。

これで、VcXsevのインストールは完了し、WSL(Windows Subsystem for Linux)の環境の構築は終了です。

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