カメラの解像力

  • 2020.05.23 Saturday
  • 10:03

 近年のスマホの解像度と実際の画質を見ても、解像度(画素数)が実際の解像力を表していないのではないかと疑問に思っている人は多いのではないでしょうか?ここでは、あえて解像力(実際の解像力)と解像度(画素数)を切り分けて、カメラの解像力を決めている要因についてお話したと思います。

 

        カメラの解像力

 

 上記のように、カメラの解像力は、画素数(解像度)だけでなくいろいろな要素で実際の解像力が決まってきます。下に表でまとめてみました。

 

       カメラの解像力を決める要因

構造

要因

説明

イメージセンサー

画素数(解像度)

解像度を決める基本的な要素であるが、解像力はこれだけでは決まらない。

センサーサイズ

(画素サイズ)

回折などの光学的な要因による解像力劣化に関しては、センサー(画素)の物理的な大きさが必要。感度に関しても大きい方が有利。

感度

画素サイズが最も大きな要因であるが、他にも開口率やカラーフィルターの透過率、オンチップマイクロレンズなども影響する。感度を表す指標としてはISO感度があるが、ゲインでも調整できるので、同じISO感度でもノイズの大きさは異なる。

光学ローパスフィルター

無い方が解像力が高いが、モアレや偽色などの劣化が起きやすくなる。

レンズ

フォーカス

基本的なことですが、フォーカスが合っていないと解像力は落ちる。

MTF

レンズの解像力を表す値の事。球面収差などが解像力の劣化を起こす。

f値(絞り)

レンズの明るさを示す値。レンズが明るい方(f値が低い)が解像力が高く、f値が大きい方が回折ボケの影響で解像力は低くなる。

被写界深度

フォーカスが合っているように見える範囲のこと。絞りの値(f値)によって浅くなったり深くなったりする。被写界深度が深くなり、フォーカスの合う範囲が広くなると解像力は落ちる傾向にある。

シャッター

シャッタースピード

(振動、ブレ)

撮影時の手振れや振動は動きボケとなり、解像力劣化にもなる。撮影時はしっかりした三脚や除振台などで撮影するか高速シャッター撮影が望ましい。

画像処理

デモザイク

デモザイクの性能によっても解像力に差がでる。偽色と解像力ではトレードオフの関係があり、高性能なデモザイク処理ではそのトレードオフの関係を改善している。

画像処理

シャープネスや超解像処理によっても解像力(解像感)は変わってくるが、あくまでも波形の傾きを立たせるだけで、実際の解像度本数までは変わらない。

codec

codecでも圧縮率によっては影響して、高周波成分をカットするために解像力が劣化する。ノイズと組み合わさっての劣化も大きい。

 

 単純にフォーカスが合った部分の解像力を最も高く撮影したいのならば、カメラの選定や撮影方法は以下のようになります。

・画素数(解像度)…高いもの

・イメージセンサーサイズ…大きいもの(現時点では中判デジカメが最大)

・感度…画素サイズの多く、裏面照射型CMOS、RYYG、白黒など

・光学ローパスフィルターレス

・レンズ…MTFが高いもの。単焦点レンズ。F値の小さい明るいレンズ

・画像処理…非圧縮RAW記録が出来るもの。高度なデモザイクや画像処理。

・撮影…レンズは開放、シャッタースピードは長く、ISO感度は低く、三脚を用いてマニュアルフォーカスで撮影。暗い場所では明るい照明を用いる。

 

 かなり巨大で高価なカメラをしっかりとした三脚を使って、プロの撮影現場での撮影設備が必要になります。

 

 被写界深度が問題で、遠くも近くも解像力を高く撮影したいとなると更に難しくなり、被写体の明るさなどによっても最適解が変わってしまいます。

 

 さらにドローンのように、動きや振動がある環境で、しかも重量制限から軽いカメラのみとなるとまた条件が異なり、また別な工夫が必要になるのかも知れません。

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